【男性・女性別】いびきの原因
いびきをかくのは、気道が狭くなり、そこを空気が通る際に粘膜が震えることで音が発生するためです。
特に仰向けで寝ると、舌が後方に下がりやすくなり、気道がさらに狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
一般的ないびきの原因
肥満
いびきの一番大きな原因は肥満です。体重が増えて首のまわりに脂肪がつくと、空気の通り道である気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。また、舌にも脂肪がつくと分厚くなった舌がその重みで気道に落ち込みます。その結果、気道が狭窄していびきが出やすくなります。
疲労・ストレス
心身が疲れていると、筋肉が緩みやすくなり、舌が気道に落ち込みやすくなります。その結果、舌が気道を塞ぎ、いびきを引き起こすことがあります。
飲酒
アルコールには筋肉を弛緩させる作用があるため、寝酒をすると、喉の筋肉が緩んで気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
喫煙
タバコの煙には有害物質が含まれており、気道の慢性的な炎症やむくみの原因にもなります。そのため、喫煙する習慣のある方はそうでない方よりも気道が狭くなりやすく、いびきをかきやすくなります。
鼻詰まり・口呼吸
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎によって鼻が詰まったり喉が腫れたりすると、口呼吸になりやすくなります。それにより、いびきをかきやすくなります。
睡眠薬
筋弛緩作用を持つ睡眠薬があり、これを服用すると、喉の周囲の筋肉が緩んでいびきをかきやすくなります。睡眠薬が必要な場合は、医師に相談して筋弛緩作用のない薬に処方変更してもらうことをお勧めします。
男性がいびきをかきやすい
理由
内臓脂肪型肥満が多い
男性は内臓に脂肪がつくタイプの内臓脂肪型肥満になりやすく、このタイプは首や喉あたりにも脂肪もついてきます。また、舌にも脂肪がつくことで舌根が喉を塞ぎます。
首や喉の脂肪がつくことで、気道が狭まったり喉を塞いだりといびきをかきやすくなる原因となります。
女性がいびきをかきやすい
理由
骨格・顔立ち
「肥満＝いびきをかく」というイメージを持っている方も多いかと思いますが、実際には歯の嚙み合わせや顎の小ささなど、顔の骨格の問題によっていびきをかくことがあります。
更年期（女性ホルモンの変化）
プロゲステロン（黄体ホルモン）は、呼吸中枢を刺激し、上気道の筋肉を拡張させる作用があります。そのため、閉経によってプロゲステロンが減少すると、気道が狭くなり、いびきに悩まされやすくなります。
その「いびき」は
睡眠時無呼吸症候群かも？
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。
睡眠中の酸欠状態を繰り返すため、脳は不足している酸素を補おうと中途覚醒してしまいます。
その結果、交感神経が優位になり、心拍数が上がります。これにより、高血圧を起こすこともあります。
高血圧は動脈硬化をはじめ、糖尿病やうつ病などのリスクを高めるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞に繋がる恐れもある恐ろしい病気です。
睡眠時無呼吸症候群の
いびきの特徴
睡眠時無呼吸症候群を発症した時のいびきには、以下のような特徴があります。
- 毎晩大きないびきをかく
- 朝までいびきが続く
- いびきの音が大きくなったり小さくなったりするのを繰り返す
- いびきや呼吸が一時的に止まっている様子が見られる
自分でできる
「いびきの改善・対策」方法
寝る体勢・枕を変える
仰向けで寝ると舌が後ろに落ちやすくなり、気道が狭くなります。そのため横向きに寝やすくする抱き枕を活用して、いびきを防ぐことをお勧めします。
また、横向きに寝る習慣をつけるのもお勧めできます。
枕が高すぎると首が前屈みになり、気道が狭くなるため、高さにも注意して枕を選ぶのも良いでしょう。お悩みの際は、枕専門店へ相談してみましょう。
鼻呼吸ができるようにする
市販の顎にかけるサポーターや口テープ、鼻腔を拡げる鼻テープを使用することで、鼻呼吸を促進することができます。
口を開けて眠ると舌の根が喉の奥に下がり、いびきが出やすくなります。
寝る前の飲酒を避ける
よくお酒を飲む習慣がある方は、まず寝る前のアルコール摂取を控えることから始めましょう。寝酒を控えるといびきをかきにくくなります。
特に仰向けで寝ると、レム睡眠時に舌が落ち込みやすくなるため、注意が必要です。
減量・ダイエット
肥満に当てはまっている場合、ダイエットによって首回りの脂肪を減らし、脂肪組織による気道の圧迫を解消させましょう。それにより、いびきの音が減ったり解消されたりします。
顔の筋肉を鍛える
喉の軟部組織や舌、顔面の筋肉をトレーニングすることもお勧めできます。海外の研究では、口腔咽頭の運動が中等症の睡眠時無呼吸症の改善に有効と報告されています。
医療機関で行ういびきの
治療・治し方
肥満に対しては、まず体重を減らすことが重要です。実際に減量だけで病状が改善できたケースは多く見られます。上気道の閉塞の原因がアデノイドや口蓋扁桃肥大、形態異常などによって起こっている場合は、手術を選択します。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、自宅での簡易検査をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんには、CPAP療法（経鼻的持続陽圧呼吸療法）を検討します。圧力をかけた空気を鼻から送り、気道を拡張させて睡眠中の無呼吸を
防ぐ治療法で、効果の高い治療法として最も多く行われています。