- GLP-1メディカルダイエット
- 肥満症について
- BMIの算出方法
- 肥満症による健康被害
- GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」とは
- GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」とは
- こんな方におすすめします
- 保険診療と当院での位置づけ
- 治療の流れ
- 費用
- よくある質問
- 院長よりメッセージ
GLP-1メディカルダイエット
当院で使用する肥満症治療薬について

当院では、GLP-1受容体作動薬のセマグルチド製剤「ウゴービ」と、GIP/GLP-1受容体作動薬のチルゼパチド製剤「ゼップバウンド」を用いた肥満症治療を行っています。
肥満症について
「肥満」とは、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態を指し、日本肥満学会の基準では BMI(体格指数)が25以上である場合を「肥満」と定義します。
一方「肥満症」とは、肥満によりすでに健康障害が起きている、あるいは将来的に健康被害が強く懸念され、医学的に治療を必要とする状態を指します。単なる体重増加ではなく、医療介入が求められる病態です。
BMIの算出方法
BMIは以下の式で求められます:
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
例:身長160cm、体重70kgの場合
70 ÷ (1.6 × 1.6) = 27.3 → BMI 27.3Kg/m²
肥満症による健康被害
肥満症は、多くの生活習慣病や健康障害のリスクを高めます。代表的なものとして
- 2型糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化性疾患
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD/NASH)
- 整形外科的疾患(変形性関節症など)
このように「肥満症」は、将来的な健康被害を引き起こす可能性が高く、生活習慣の改善や医学的治療による対応が重要となります。
GLP-1受容体作動薬
「ウゴービ」とは
ウゴービは、2023年に肥満症治療薬として承認された日本初のGLP-1受容体作動薬です。
ウゴービは糖尿病治療薬の「オゼンピック」「リベルサス」と同じ成分のセマグルチドを主成分とした注射薬です。0.25㎎から2.4㎎まで5段階あり、週1回皮下注射します。
GLP-1は、食事後に小腸から分泌されるホルモンの一種で、インスリンの分泌を促進し食後の血糖値の急上昇を防ぐ働きをします。また、中枢神経系に作用して食欲を抑制するほか、食べたものの胃からの排出を遅らせ、空腹感や食べ過ぎを抑制し、結果的に体重増加を防ぐ働きをします。食欲を抑え、少量でも満腹感を得やすくすることで、無理なく体重減少をサポートします。
臨床試験(STEP1)では、ウゴービ 2.4mgを週1回投与した群では、68週間の投与で約15%の体重減少を認めました。
GIP/GLP-1受容体作動薬
「ゼップバウンド」とは
ゼップバウンドは2025年に肥満症治療薬として承認された新しい注射薬で、糖尿病治療薬「マンジャロ」と同成分(チルゼパチド)ですが、肥満症に適応があります。GLP-1に加えてGIPというホルモンにも作用することで、食欲抑制・血糖改善・体重減少効果をより強力に発揮するとされています。2.5㎎から15㎎まで6段階あり、週1回皮下注射します。
日本で行われた臨床試験(SURMOUNT-J)では、72週間の投与により
• 10mg投与群で 平均17.8% の体重減少
• 15mg投与群で 平均22.7% の体重減少
が確認されました。
こんな方におすすめします

- ついつい食べ過ぎて痩せられない
- 間食が多く、夜食がやめられない
- いろんなダイエットに挑戦したが、痩せられない
- ダイエットにトライするたびに、いつもリバウンドする
- 運動が苦手で長続きしない
- 膝や腰が痛くて運動ができない
- 高血圧などの生活習慣病を改善したい
- 将来の病気のリスクを減らしたい
- 忙しすぎてダイエットに取り組む時間がない
- 医師のサポートももとで減量に取り組みたい
保険診療と当院での位置づけ
ウゴービおよびゼップバウンドは肥満症に対して保険適応がありますが、
・保険診療を行える医療機関が限られている
・ 6か月以上管理栄養士による栄養指導を受けて食事・運動療法を実施しても、効果不十分な場合にのみウゴービ導入を検討可能
といった制約があり、これからダイエットを本気で頑張ろうという方にとって、保険診療による治療は現実的に難しいのが現状です。
そのため当院では、自費診療(自由診療)にてウゴービおよびゼップバウンドによる肥満症治療を行います。
肥満症治療の適応
ウゴービおよびゼップバウンドによる治療は、以下の条件を満たす方に限ります。
・20~75歳までの方
・高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、
o BMI 35 Kg/m²以上の方
o BMI 27 Kg/m²以上、かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害*がある方
健康障害*
耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞・一過性脳虚血発作、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常・女性不妊、閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)、肥満関連腎臓病
BMIが 25~27 Kg/m²の方でも、肥満が原因で健康障害を有する場合には医師の判断でウゴービまたはゼップバウンドによる治療を行うこともあります。
治療の流れ
1初診(診察・血液検査)
初診料:2,200円(税込)
血液検査料:3,300円(税込)
安全に治療を進めるために、採血で肝機能・腎機能・血糖値などを確認します。
3か月以内の血液検査の結果がある場合は、採血検査を省略することも可能です。
お薬を飲んでいる方は必ずお薬手帳か、内容の分かる物をご持参ください。
2ウゴービもしくはゼップバウンド皮下注射の処方(院内処方)
週1回、ご自身で行うペン型注射です。
ウゴービは0.25mg、ゼップバウンドは2.5㎎から開始し、効果や副作用の程度を確認し段階的に増量していきます。
3通院
原則1か月ごとに受診していただき、治療の効果や副作用の出現の有無を確認しお薬を処方します。状態が安定したらご希望に応じて2か月、3か月ごとの受診も可能です。
ウゴービの費用
ペン1本に4回分(4週分)の薬剤が充填されている複数回使用製剤です。
4週分(1本)あたりの費用は以下の通りです。
| ウゴービ0.25mg | 17,000円 |
|---|---|
| ウゴービ0.50mg | 23,000円 |
| ウゴービ1.00mg | 34,000円 |
| ウゴービ1.70mg | 45,000円 |
| ウゴービ2.40mg | 56,000円 |
ゼップバウンドの費用
ペン1本に1回分(1週分)の薬剤が充填されている単回使用製剤です。
4週分(4本)あたりの費用は以下の通りです。
| ゼップバウンド2.5mg | 24,000円 |
|---|---|
| ゼップバウンド5.0mg | 38,000円 |
| ゼップバウンド7.5mg | 50,000円 |
| ゼップバウンド10mg | 56,000円 |
| ゼップバウンド12.5mg | 60,000円 |
| ゼップバウンド15㎎ | 66,000円 |
※初診料・採血料は別途必要です。
※費用は全て税込み表記です。

よくある質問
副作用はありますか?
吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状が起こることがあります。これらの症状は、治療開始当初や投与量を増やしたときに起こりやすいですが、慣れてくると軽快してくることが多いです。糖尿病のお薬を併用している場合には、低血糖が起こることがあるため注意が必要です。その他、まれな副作用として、急性膵炎、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などの可能性が指摘されています。
治療はだれでも受けられますか?
20歳未満の方、膵臓に異常のある方、癌の既住歴がある方又は治療中の方、妊娠中の方、産後3ヶ月以内の方(中絶・流産含む)、BMIが25未満の方は治療をお受けいただけません。
リバウンドはしますか?
急に投与を中止すると食欲減退効果が低下しリバウンドしやすくなります。
リバウンドを防ぐためには、徐々に薬を減量したり適切な食事・運動習慣を身につけることが必要です。
院長よりメッセージ

肥満症は高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の大きなリスク要因です。
それ以外にも心房細動、心不全、心臓突然死などの心疾患や、大腸がんや膵臓がんなどの悪性腫瘍のリスクが上昇することが知られています。
当院では、医学的根拠に基づいた安全な方法で肥満症治療を提供いたします。 肥満症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
